2010/03/31

■グラフィック薄氷大魔王[216] Eye-FiとEvernoteプレミアム

■グラフィック薄氷大魔王[216]
Eye-FiとEvernoteプレミアム

吉井 宏
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Evernote無料版、テキスト書きやWebクリップなどに便利に使ってました。最近になってPDFが開いた状態で載せられることに気がつき、今まで溜め込んだPDFをせっせとアップしてました。

すると、毎月の転送量を示すバーの表示がどんどん伸びていき、40MBの制限が近づいてきてしまう。う〜ん、やはりEvernote有料版にするしかないか。毎月500MBなら転送量を心配する必要ないだろう。iPhone/iPod touch版のEvernoteはオフラインでも見れるってことにも惹かれるし。

ただ、有料会員になるのを今まで渋っていたのには理由があったんです。転送量が大きくなっていろんなファイルを何でもかんでもアップしちゃうと、「人生のすべてを記録するノート」ってよりは、「ハードディスクの中身と同等のカオス」になっちゃう気がしてました。

また、EvernoteのiPhone/iPod touchアプリで同期する場合、内蔵メモリーの容量をすぐオーバーしちゃうんじゃないかと。iPadでEvernoteを使ったら便利だろうけど、64GBしか容量がないのではつらい。どうしようかな〜。

そんなとき、Eye-Fiカードを買うとEvernoteプレミアム1年分がついてくる超お得なキャンペーンを発見。Eye-Fiも試してみたかったし、ちょうどいいや!とさっそくポチッとしました。

キャンペーン
< http://www.eyefi.co.jp/topics/2010/03/03/evernote_eyefi_campaign.html >

Eye-Fi、便利そうだなとは思ってましたが、こちらもずっと迷ってました。そのままFlickr等にアップされるのはバックアップの心配から解放されるけど、アップしたくない写真もあるし。また、無線LANがないところで撮った写真はどうなるんだ? 消えちゃうのか? などなど、素朴すぎる疑問ですが。

ちゃんと説明を読んだらわかりました。Flickrにアップする写真を非公開に設定できるし、無線LANがなくても内蔵メモリがある。っていうか、あの小さいSDカードにメモリーと無線LANの機械が両方入ってるとは思わなかった。カメラの電源オン、かつ、無線LANがあるときにアップされるんですね。まあ、Eye-Fiから直接Evernoteに載せる方法はよくわかってないんですが。

EvernoteのiPhone/iPod touchアプリでの容量の疑問もプレミアム版にしてみたら解決しました。Evernoteの中のどのノートを同期するか設定できます。iPhone/iPod touchやiPadで閲覧する普段使いのノートと別に、重いファイルだけ集めたノートを作っておけばいいのでした。

○おまけ 「保存するメモ帳 abrAsus」

ライフハッカーのEvernote日本語化についての記事にあった、「abrAsus 保存するメモ帳」ってのが面白い。A4のコピー用紙を3回折り、表と裏で16ページのメモ用紙として使う、その畳んだ紙のためのホルダー。

< http://www.lifehacker.jp/2010/03/100303evernote.html >

普段、手ぶらで出かける時に小さいRHODIAをポケットに入れてます。新品に近い状態のとき、表面の数枚が必要なだけなのに、使わない何十枚も持ち歩くのはムダじゃないかと思ってました。で、A4コピー用紙を二つ折り〜三つ折りにしたものにボールペンをクリップして持ち歩いてますが、これがいちばん手軽。

記事ではA4裏表を使い終わったらスキャンしてEvernoteに保存とありますが、うまい手だなあ。真似しよう。RHODIAの小さい紙をスキャンしようとは思わなかったけど、A4ならいい感じ。でも、ほぼゼロ円のコピー用紙のホルダーが5800円ってのはアンバランスな気がする。まあ、かっこいいビジネスマンが背広のポケットからギタギタに畳んだ紙を出してメモするんじゃ絵にならないか。

記事中の緑色のEvernoteバージョン。売り物じゃないようですが、ほしい!

【吉井 宏/イラストレーター】

Rhinocerosでモデリング、一週間かかってなんとか完成しました〜。普通はカッチリした機械の部品っぽい形状から入門するんだろうけど、今回は全部が曲面の有機的形状だったので余計に大変でした。その後、modoでポリゴンモデリングしたら速いしラクだし天国。でもやはり、アバウトさが気になっちゃう。

●アニメ『ヤンス!ガンス!』放映中。TVK(テレビ神奈川)金曜朝7:25と深夜25:25。Wiiシアターの間でも配信中。アヌシー国際アニメーション映画祭2010 TVシリーズ部門にノミネートされました!
< http://www.annecy.org/annecy-2010/festival:en/official-selection:c8 >

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2010/03/24

■グラフィック薄氷大魔王[215] Rhinocerosでモデリング

■グラフィック薄氷大魔王[215]
Rhinocerosでモデリング

吉井 宏
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もう、マジたいへんです。同じ、「3Dで形を作る」ってことなのに、方式が違うだけでこんなに苦労するもんかと。Rhinocerosという3Dソフトなんですが、いわゆるNURBSモデラーで3D CADソフト。個人で買える価格帯のリーズナブルな3D CADソフトとして人気があります。

Rhinoceros < http://www.rhino3d.co.jp/ >

今、小規模なプロダクトのデザインを頼まれてるのです。工場で原型を作ってもらうのに、前後左右上下の六面図があれば十分みたいな話を聞き、いや、それじゃアバウトすぎる。やはり外観くらいは責任持ちたい。modoで3Dモデルを作って渡します、ってことで高解像度ポリゴンモデルを作りました。

ところが、わかる人にはわかると思いますが、ポリゴンモデルってのは、全部が全部、テキトーです。ある程度は数値打ち込みみたいなこともできますが、寸法から曲面の具合も、ほとんど目分量みたいな世界なのです。

また、立方体ポリゴンからスタートして作った球体や円柱の断面は真円じゃなく四角っぽいし、細部を作り込もうと再分割するとポリゴン数が増えすぎてコントロールできなくなる。おまけに、ポリゴンのつながり具合によっては、再分割したときにへんなボコボコの凹凸が出てきてしまう。っていうか、サブディビジョンをフリーズ(仮想的にポリゴン再分割していたのを本当に分割すること)すると、ずいぶん形が変わってしまうのだ。

ポリゴンモデラーは素早くそれっぽい形を作るのには抜群だし、用途はたいてい映像や印刷物なのでそれで十分。でも、形の隅々にまで責任を持ちたいプロダクトデザイン用途にだけは向かないようで、ポリゴンモデラーのテキトーさ加減にガマンならなくなってきた。3D立体出力するようになって以来、強く感じるようになってました。

っていうか、それはもちろん当たり前で、そのように3Dソフトも用途によって棲み分けされてるわけです。ポリゴンモデリングをやめる気はさらさらないですが、プロダクトデザイン用途などでキッチリていねいに作り込むにはNURBS系モデラーを使うしかない!と。

実は一昨年、オモチャ等のプロダクトデザインに関われるかもしれないチャンスがあって、Rhinoを試しに使ってみたことがあります。Rhinoは現在Windowsのみのソフトなのですが、Mac版のベータが無料配布されてて、ぜひ使ってみよう、と。「Rhinocerosオフィシャルトレーニングブック」って解説本を買ってきて、ちょっといじってみましたが、むずかしくてすぐ断念しました。

先日、詳しい人に聞いてみたところ、RhinoのMac版ベータはボタンやメニューはあっても実装されてない機能が多いとのことで、しかたなくWindows版を購入。解説本は引越しのときに処分してしまったのですが、今回また同じ本を買ってきて、頭カンカンになりながらやってる最中です。普段は滅多にチュートリアルはやりませんが、つまみ食いながらやってます。

プロダクトの形状の、作るのがむずかしそうな箇所をリストアップして一つずつ潰していってますが、どうしても解決しない問題がいくつも残ってます。modoなら数十分もあれば作れそうな形状なのに、練習含めて3日以上もかかってるのに完成できるかどうかの見込みさえ立たない〜。

ポリゴンモデリングが「直感的」と言われる理由がよくわかった気がします。ポリゴンモデラーだったら、ポリゴン・辺・点を直接いじって、膨らませたり追加したり切ったり貼ったり自由自在です。ところが、NURBSっていうかこういう系統のモデラーって、直接いじれるのは、フチの曲線と制御点くらいのもの。作業のほとんどが、最終的な形状を得るための治具とか枠とか型作りです。ほんの小さな曲面の部品を作るために、切り抜きに使う曲線や曲面を延々作り続けなきゃならない。

まあ、そうやって作った形状は、ポリゴンモデラーではまったく不可能なほど完璧な曲面だったり美しかったりするわけですけどね。例えば、開けた穴のフチを丸めたり、円柱をくっつけた継ぎ目を滑らかな曲面にしたり。ポリゴンモデラーに慣れた目には、それだけで感動的です。

もうしばらくRhinoと格闘することになりそう。Rhinoを購入する前にいじってみたソフトやおもしろいプラグインの話など、いろいろありますのでまた書きます。

【吉井 宏/イラストレーター】

先週のMKチャットに勝手に補足。1980年代後半。評価の高かった先行の画像編集ソフト、ImageStudio(と、後のカラー版のColorStudio)。これをPhotoshopは約半額の低価格路線で攻めた。値段を下げなかった発売元のLetrasetの対応のマズさもあってColorStudioは販売停止に追い込まれ、Photoshopは業界標準の座を勝ち取った。90年頃の話。

その後、ColorStudioの権利と技術をLetrasetから買い戻した開発者Mark Zimmerらが再起を賭けて新たにFractal Design社を設立(前身はFractal Software社)、用途をペイントに絞って開発・発売したのがPainter。つまり、PainterはPhotoshopのかつてのライバルColorStudioが、アプローチを変えて生き続けている姿なのだー。へぇ〜へぇ〜へぇ〜。2000年頃のZDnetの記事「fractal.comの大計画(2000年5月12日)」などより。

90年頃のMacintoshカタログにはColorStudioは載ってたけどPhotoshopはありませんでした(Illustratorは載ってました)。僕がMacを入手した92年頃のショップにはColorStudioがまだ置いてありましたが、購入したのはPhotoshop2.5でした。まあ、AdobeはPostScriptとIllustratorで印刷関連に圧倒的強みがあったので、ColorStudioがそのまま生き延びることはなかったでしょう。もし生き延びてたら、Mark ZimmerはPainterを完成させなかったかもしれないし(Painterの開発は85年からだそう)。

●アニメ『ヤンス!ガンス!』放映中。TVK(テレビ神奈川)金曜朝7:25と深夜25:25。Wiiシアターの間でも配信中。

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2010/03/17

■グラフィック薄氷大魔王[214] 回転式ドローイング台とCintiqライブストリーミング

■グラフィック薄氷大魔王[214]
回転式ドローイング台とCintiqライブストリーミング

吉井 宏
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1月に究極のアナログ作業であるところの「フィギュアの色塗り」をやってた反動で、「ドローイングを含め、あらゆる制作をデジタルに戻すぞ!」って決めました。それで、長いことしまいっぱなしだった液晶タブレットWACOM Cintiq12インチを引っぱり出し、先週書いたように、液晶面の摩擦の調整の素材を物色したりしてたのです。

液晶タブレットは走り書きというか、ものすごいスピードでラクガキするにはいいのですが、形を吟味しながらじっくり腰を据えて描くには向かないんです(少なくとも僕には)。輪郭線をきっちり描く清書のような作業では、ペン先とカーソルの視差が気になってしまって集中できない。

やはり、線画スケッチを描くにはペラ紙かなあと、描きやすい下敷きや台を工夫していたところ、結果的に回転式ドローイング台を作ることになってしまいました。昔のCintiq15インチの傾斜スタンドに板をネジ止めし、テレビを載せる用の小型のターンテーブルを強力両面テープで貼り付け、さらにプラスチック版を貼り付けてあります。

写真1 < http://www.yoshii.com/dgcr/drawingtable1.jpg >
写真2 < http://www.yoshii.com/dgcr/drawingtable2.jpg >

低粘着の両面テープでA5の紙を固定し、プラスチック版の端を持ってグルグル回しながら描きます。これがやけに描きやすい! 海外のアニメーターが使うターンテーブル式のドローイングテーブルにあこがれてましたが、こいつは小型で机の上に手軽に置けて、A5の紙にドローイングするのにちょうどいい。

調子に乗って、A5の紙に何十枚も描いてたのですが(僕の場合都合が良くて、1枚の紙に1つのキャラクターのスケッチみたいに、キリのいい描き方)、そのうちA5を二つに切ったA6の紙(ポストカードサイズ)に描いてみたところ、手が動く範囲の関係なのか、またまたスピードアップ。

そうやって描いた数百枚のスケッチをスキャナで取り込み、Photoshopで一枚の大きな画像にコピペ編集。液晶タブレットで修正したり加筆したりしてるうちに、「特に紙に描かなくてもこうやって液晶タブレットでも十分イケるじゃん」という気分に。

それで、僕としてはめずらしく、どんどん増やして描いていけるノリノリの状態になったのです。その様子をストリーミング・録画したのがこれ↓です。

< http://www.ustream.tv/recorded/5156132 >

いつもこんな描き方してるわけじゃないです。きっちり描けない液晶タブレットな上に、ストリーミングをTwitter経由で数十人から見られているという緊張感と興奮のため、上ずって落ち着きのない描き方してます。また、手が止まってると見てる人がつまらないんじゃないかと、やたらと画面を拡大縮小回転スクロールさせたり、ムダに線を描いたり消したり目まぐるしく動かしたりしてます。

上のはたまたま録画しましたが、その後録画せずに普通の板タブレットを使ってのドローイングもストリーミングしましたが、その時はじっくり落ち着いてていねいに描いてました。次にやるときもそうしようと思います。

1個のキャラクタースケッチのサイズは200〜400ピクセル程度と小さめです。たくさん描いて狭くなったら隙間を詰めたり用紙サイズをだんだん拡げていき、最終的に11181 x 7015ピクセルのサイズになりました。ここからスケッチを切り出したところ、719点にもなりました。同じような描き方は今までにもしていますが、たいてい100点止まりなので、今回は例外的に大規模でした。(そうやって描いた何千点のスケッチが、TDW作品の元ネタになってるわけです)

ところで、回転ドローイング台にCintiq12インチを載せて描いてみたところ(滑り止めを底面に貼り付けてある)、これまた描きやすい。21インチなど大型のCintiqには画面を回せる機構がありますが、12インチでそれが可能に。傾斜角度も自由自在です。

写真3 < http://www.yoshii.com/dgcr/drawingtable3.jpg >

【吉井 宏/イラストレーター】

「どこでもJedit」。これ、便利すぎて、Macでの文字入力の全部に使いたくなっちゃう。ブログ書きやコメント、Twitterなどなど、ちょっとしたテキスト打ち込みのときにショートカットキーを押すと、使い慣れたJEditのウインドウが開く。書き終わったら、元のソフトやブラウザの入力エリアに書いた文章を流し込んでくれる。便利! (「どこでもJedit」はシステム環境設定パネルであり、Jedit本体がないと使えないので注意)
< http://www.artman21.com/jp/jeditanywhere/ >

●アニメ『ヤンス!ガンス!』放映中。TVK(テレビ神奈川)金曜朝7:25と深夜25:25。Wiiシアターの間でも配信中。

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TDW_1886

2010/03/15

TDW_1885


ちょっと落ち着いてきたのでTDW再開。形状モデルはすでにいくつも作ってあるんだけど、なんか、色を塗ると形の可能性が固まっちゃうみたいで、やりにくい。なのでとりあえず、白。

2010/03/10

■グラフィック薄氷大魔王[213] 史上最強のマウスパッドと、その意外な利用法

■グラフィック薄氷大魔王[213]
史上最強のマウスパッドと、その意外な利用法

吉井 宏
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史上最強のマウスパッド「Airpad pro lll」というのを買ってきた。「まるでエアーホッケー」という触れ込みのマウスパッドで、「大げさな」とか思ってましたが、マジ、エアホッケー並!! 購入したのは、究極セットlllの特大サイズ、スノー(夜光タイプ)。

パワーサポート < http://www.pawasapo.co.jp/products/air/ >

僕はマウスが苦手なのでマウス自体ひんぱんに買い換えたりマウスパッドを変えたりするけど、これは大当たり。愛用のLogicool小型レーザーワイヤレスマウスに付属のマウス用ソールを装着してみたら、さらに摩擦が小さくなった。

しかし、これはすごい。めちゃくちゃ軽く動く。これだったら普通のパソコン操作に(タブレットじゃなく)マウスを常用していいかもと思った。いや〜、これ使うと、マウスっていう入力デバイスのイメージが変わっちゃいますよ。ちょっと高いです。B5程度のサイズで4000円ってマウスパッドの価格帯じゃないですね。もっと大きいA3程度サイズだと8000円台です。

強いて言うなら、滑りすぎるため、ちょうどのところで止めにくいってのは確かにあります。目的地をちょっと通り過ぎてしまって戻る感じ。でも、動かし始めが軽い心地よさは、それを補って余りある。マウスを動かすのがおっくうじゃなくなる。Illustratorのパスをマウスでいじる人には最適かも。

ところで、なんでAirpad proを買ってきたかというと、実は、液晶タブレットWACOM Cintiq用です。透明/半透明で摩擦が適度にありそうなものを街で見つけると、必ず買ってくるのです。液晶タブレットの表面に貼り付けて摩擦の調整ができそうなものは何でも買ってきて試してます。

Cintiq12インチに乗せて書いてみました。透明度は悪いです。濃い色の線画がなんとか見える程度。でも、書き味はなかなかイイ。シリコン素材なのでペン先が食い込んで、ストローク芯以上に形が書きやすいです。盛大にねっとりふかふかしますが、マウスパッドの表面はカサカサ乾いた感じなので、たとえると、厚い週刊誌のザラ紙ページにボールペンで描く感じかな。で、裏面はツルツルペタペタなのですが、こちら側を表にしてCintiqに貼り付けると透明度は多少上がりますが、ねっとり感がキツすぎて好みじゃないです。

まあ、Cintiq用としてはハズレでした。透明度が低すぎる。先日、同様に買ってきたのがvancoというメーカーの薄手のカッティングマット半透明白。書き味は最高なんだけど、光を拡散する粒子入りとのことで、薄い(2mm)のに液晶の絵がほとんど見えない〜。うちに前からある3mm厚の半透明カッティングマットのほうがよく見える。

他には文房具店で使えそうなものを買ってきて試したりしてます。クリアーファイルや4つ穴ファイルの表紙に使われている磨りガラス状っぽくザラザラじた表面の半透明の樹脂板各種を切り抜いて試したり、などなど。それこそ、これまで液晶タブレットを使ってきた9年の間に、何十種類の素材を試しましたが、ハンズの切り売り厚手ビニールが今のところベストのようです。

で、このAirpad lllはやわらかいシリコン素材なので、intuos4など普通のタブレットでもふかふかした書き味になって面白いです。そこで試してみたのが、以前デジクリに書いた「紙が凹むと、シャープペンなどの硬い筆記具でも、タブレットペンのストローク芯を使ったような描きやすさが得られる」ってこと。その時も、描きやすかったのはシリコン製のマウスパッドでした。狭くて描きにくかったけど今度のマウスパッドはそこそこ広い。

Airpad lllの上にコピー用紙を乗せて描いてみたところ、今まででダントツベストの書き味になりました! 硬い筆記具では曲線を描くときなど、手の力や重さが少しでもゆらぐと線に影響しますが、紙が凹むと余分な力が吸収されてきれいな線が描けるんです。

おまけに、裏返して使うと、マウスパッドを机に貼り付けるための粘着っぽい材質が幸いし、紙を置いたらピタッと貼り付いてずれない。最近、板に低粘着両面テープで紙を固定していたんだけど、それより便利。また、下側になっている本来の表面はザラザラカサカサのマウスが究極に滑る素材。つまり、机の上でグルグル回し放題、どんな角度にもラクに回して描けます。表側が上の場合でも利点は同じで、マウスパッドが机に固定され、表面の紙はスルスル回し放題です。

マウスパッドなのにねぇ。意外な収穫でした。

参考・グラフィック薄氷大魔王[40]紙が凹むと描きやすい
< http://quill.to/hiroshi_yoshii/301ffe5d4b >

○先週の「途方もなくすごい人」について、本人の確認が取れましたので、イラストレーター宮本幸男氏のブログの記事をリンクします。

昔の自宅スタジオ風景。スゴスギルとはこういうことです。
< http://superguide.exblog.jp/2790455/ >

現在の様子、フィジカルコントローラー等。
< http://tasan.blog47.fc2.com/blog-entry-1559.html >

【吉井 宏/イラストレーター】

Ustreamっての、やってみました。まだ試しで2回だけ、ドローイングしてるPhotoshopの作業風景をストリームしてみただけですが、みんなが見てると、燃えます。過剰にノリノリで描いちゃいますね〜。そのうちまたやってみよう。

「ヤンス!ガンス!」を含む上映会「おれ♡劇場 うるまでるび×秋元きつね×ケロケロキング 上映会とトークライブ」というのが渋谷のユーロスペースであります。3月12日(金)。僕はこの上映会に関わってるわけじゃないですが、おもしろそう!
< http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=260 >

●アニメ『ヤンス!ガンス!』放映中。TVK(テレビ神奈川)金曜朝7:25と深夜25:25。Wiiシアターの間でも配信中。

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2010/03/03

■グラフィック薄氷大魔王[212] 音楽機材、ガジェット、フィジカルコントローラー

■グラフィック薄氷大魔王[212]
音楽機材、ガジェット、フィジカルコントローラー

吉井 宏
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ミュージシャンやDJのプライベートスタジオの写真を集めたムック本が好きでいろいろ持ってます。デザイナーやアーティストのアトリエ・スタジオの写真集も大好きですけど、自分に近い分、現実的っぽく見えてしまうので、ミュージシャンの部屋のほうが魅力的。楽器や録音機材が使いやすく機能的に配置され、ときたま覗くムダや遊びなんかもいい味出したりしてる。

最近ある会合で知り合った人とTwitterでやりとりしていたら、その人は途方もない音楽・宅録マニア(っていうかプロ)ということがわかった。昔、よく、キーボードマガジンとかの音楽関連雑誌に、Moogのバカでかいシンセを中心に、部屋中に録音機材をぎっしり詰め込んだ冨田勲ばりの自宅スタジオの写真が雑誌に載っていたんだけど、あれをホントにやってた人なのです。当時、ときたま雑誌に大御所たちと並んで載っていたらしい。

ブログによれば、現在も最新の機材を山ほど使って楽しんでいるようです。そのうち、自宅訪問させてほしいなんて思ってたりする。僕の二十歳代前半、KORGの中古シンセとかTEACの4chデッキとか購入して細々とやっていた頃からあこがれてきた、究極の形をそのまんまやってるわけだもん。

「すげ〜〜っ! うらやましい! いいなあ!」と思ったのは当然なのですが、一方で「めんどくさそうだなあ、部屋がせまくなりそうだなあ」と冷静に思った自分もいて、意外でした。モノはもうそれほど欲しくなかったりするのです。

ガジェット大好きのくせに、以前からそんな傾向はありました。昨年夏に引越したときに思いっきりモノを捨てたり処分したりしてから、それが非常に強くなってるようです。せっかく必死に愛着を断ち切っていろんなモノを処分したのに、軽々しく新しいモノを買ってしまっては、処分したモノに申し訳ない、って感じかも。

今は、「必要最小限のモノしかいらない」「体の一部のように使いこなせるモノ以外はいらない」って感じがはっきりしてます。使わないものがそのへんに置いてあるとイライラするくらいです。

その点、パソコンソフトなら質量や占有空間がゼロ。楽器や音楽ガジェットについても、MacやiPod touchの中にあるものだけでお腹いっぱい。もともと、本格的に音楽を作ったり演奏したりするわけでなく、プラグイン楽器をいじって遊ぶ程度なのです。オモチャです。

最近はDTMで「フィジカルコントローラー」というものが流行してます。音楽制作ソフトをマウスで操作するのではなく、フェーダーやツマミのついたUSB接続のコントローラーで使うのです。画面上のツマミをマウスでチマチマいじるのではなく、本物のツマミを指でつまんで回せるのです。見た目もカッコイイものがいっぱい出てるし、使いやすそうに見えます。特に、特定の音楽ソフトに特化したコントローラーはすごい。

でも、ディスプレイ上でできるように設計されたソフトの操作をわざわざ外部に取り出して、格段に便利になるかといえば、そうでもない気がする。面倒なことが増えるだけじゃないかと。そりゃ、マウスでの操作はキツいと思うけど、フィジカルコントローラーよりタブレットで操作するほうが便利じゃないかなと。

グラフィックの仕事をする上でも左手用デバイスってのをいろいろ試してきましたが、ダメでした。キーボードでショートカットキーを押すよりも便利に思えたのですが、キーボード以上に「使える」ものにはまだ出会ってません。入力方法が何通りもあったり、手をキーボードに固定しておけず動きが多くなることが、混乱やイライラの原因にもなってるようです。

なので、もうキーボードとタブレット(と、マウス)だけで十分。それ以外の入力機器はいらない。ややこしい機械やガジェットもなるべく少なくしたい。繰り返し書いてますが、一台のノートパソコンとタブレットだけがモノとしての仕事道具のすべてで、データファイルなどはWeb上のサーバーに上げてある状態、に早くしたいなあ。

○ハリウッドVFXの仕事を日本で受注するための支援

ハリウッドでVFXの仕事をしているmelonさんという方が、経産省の投票フォーラム「アイディアボックス」に投稿して意見募集しています(3月15日まで)。予算の大きなハリウッドの映像制作の仕事を日本でできるようにしよう、というものです。中国などとくらべれば人件費が安いとはいえないロンドン、カナダ、ニュージーランド等でも、ハリウッドの仕事を受注できているそうです。どうなってるのかというと、税制優遇措置をはじめとする支援をしてもらってるからだそう。

実は、「国が支援したり優遇しないと成り立たない商売」は疑問だったりするのですが、日本の映像やCG技術の底上げや人材流出防止にもなるし、なにより実現したらおもしろそう、ってことで紹介してみました。意見を書かなくても、賛成・中立・反対を投票するだけでもいいそうです。

経済産業省アイディアボックス
< https://open-meti.go.jp/ja/idea/00131/ >
melon氏のブログ
< http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/blog-post_7846.html >

ところで、このアイディアボックスって初めて見ましたが、うなずける提言からトンデモな意見まで、2ちゃんねる並におもしろいです。

【吉井 宏/イラストレーター】

楽器屋とかフィギュア屋に行っても同じく感じることなのですが、こんないっぱい楽しいものがあって、どれもこれも欲しい! でも、全部手に入らないのなら一個もいらない、ショップへ行けば、いつでも見れるし。って感じ、僕だけかなあ。

「ヤンス!ガンス!」を含む上映会「おれ♡劇場 うるまでるび×秋元きつね×ケロケロキング 上映会とトークライブ」というのが渋谷のユーロスペースであります。3月12日(金)。僕はこの上映会に関わってるわけじゃないですが、おもしろそう!
< http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=260 >

●アニメ『ヤンス!ガンス!』放映中。TVK(テレビ神奈川)金曜朝7:25と深夜25:25。Wiiシアターの間でも配信中。

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